膝に痛みを感じたことはありませんか?
特に中高年の方は、膝の痛みが増えてくることがあります。その原因の多くが、変形性膝関節症と呼ばれる疾患です。この病気はどのように進行し、どのような症状が現れるのでしょうか?
変形性膝関節症は急に症状が出るわけではなく、時間をかけてゆっくりと進行していくのが特徴です。以下では、変形性膝関節症の段階ごとの症状について解説していきます。
変形性膝関節症とは?
変形性膝関節症は、膝関節の軟骨がすり減ることによって、関節に痛みが生じる疾患です。加齢や筋力の低下などが原因で、軟骨が摩耗し、骨と骨の間のスペースが狭くなります。その結果、膝の内側にトゲ状の骨の突起ができたり、関節が変形したりします。また、関節を包む膜(関節包)の内側に炎症が起こり、関節内に水がたまることがあります。これがいわゆる「膝に水がたまる」という状態です。
変形性膝関節症の進行プロセス
変形性膝関節症の進行は、以下のように段階的に悪化していきます。早期に適切な治療を受けることが、症状の進行を防ぐために重要です。
初期段階: 膝の違和感や軽い痛み
朝起きたときや動き始めの際に、膝にこわばりや鈍い痛みを感じることがあります。しかし、少し体を動かすと痛みが軽減するため、気に留めないことも多いです。症状が進むと、正座や階段の上り下りで膝に痛みを感じることがあります。
中期段階: 膝の腫れと変形の進行
中期に入ると、痛みが長引き、動作がさらに困難になります。階段の上り下りや深くしゃがむ動作で強い痛みが現れ、膝が腫れたり熱を持つようになります。この頃から関節液の増加や軟骨の摩耗が進み、膝の変形が顕著になります。また、膝を動かすときにきしむ音が聞こえることもあります。
末期段階: 日常生活への影響
末期では、軟骨がほとんど消失し、骨同士が直接ぶつかり合うため、歩行や座る動作さえも困難になります。これにより、日常生活に支障をきたすことが多く、精神的な負担が大きくなる場合もあります。
膝にこわばりや痛みを感じた場合、早期診断と治療が大切です。気になる症状がある方は、専門医に相談することをお勧めします。